インプラント
インプラント治療は適切な医院選びから
歯科医院の待合室でインプラントの広告パンフレットを見かけることが多くなりました。インプラントは通称、「人工歯根」と呼ばれ、そのアイデア自体は大変古くからありました。我が国でも1970年代から始められたようです。
ところが予後が大変悪く、良心的な歯科医師たちからも非難が巻き起こりました。これは当然のことなのです。何の科学的根拠もなく、技術も未熟であったためです。
しかし、近年再びインプラント治療が注目を浴びるようになってきています。 では、皆さんがインプラント治療を希望されたらどこの歯科医院でも安心して受けられるのでしょうか?
当院では高水準の医療システムを用いて、口腔内から感染症(カリエス、歯周病)を除去してからデンタルインプラントを用いております。
歯牙、デンタルインプラント、そして口腔内の健康を維持する為に、全顎的な検査の後、治療計画をたて、診療にあたっております。
CT装置で安全性の高いインプラント治療
歯科に置けるCT装置の導入件数はまだまだ少ないのが現状ですが、当院では的確な診断と安全な治療を行うため、早い段階から導入しました。
インプラント治療をされる前に必読
当院には多くの歯周病患者が来院されます。時には県外からの患者さんもいらっしゃいます。
最近来院された患者さんの中に、『インプラント治療をしたが歯ぐきの腫れと歯のぐらつきがひどい』という方がいました。
お口を拝見しましたところ、インプラントの周りにはプラーク、歯石がびっしり。大変なものでした。
インプラントをされる患者さんは、何らかの原因によって歯を失い人工の歯根(インプラント)治療をされます。多くの原因は歯周病なのですが、残念な事に前例の患者さんはインプラントをした箇所が重度の歯周病となっていました。
インプラントは人工歯根ですから、そのものが細菌によって浸食されることはありませんが、下のイラストのように歯を支える骨や歯ぐきは感染してしまいます。
人間の歯根には歯根膜といういわば歯をガードする膜がありますが、インプラントにはありません。そのため一度歯周病に感染したら進行するスピードは天然歯より早いと言われています。
左のイラストはまだ歯周組織を浸食していない状態で歯ぐきの腫れで留まっています。これをムコタイティスと言います。この時期であれば正しい治療で感染を防ぐ事が可能です。
最近ではムコタイティスになりにくい形状のインプラントが開発されてきていますので、治療前にドクターとよく相談すると良いでしょう。
そして私が一番皆様にご注意をしていただきたい事は、インプラントをして治療後のメンテナンスが以前と変わらなければ、以前にも増して重度の歯周病になってしまう恐れがあるということです。
せっかく、強く噛むことが出来る人工の歯を手に入れたのですから、同じ目に遭わないためにも心に留めておいて頂きたいと切に願います。
当院では歯周病や虫歯の感染を完全に除去してから次のステップに進めています。しかし、感染の除去はおろかインプラント施術後の感染除去すらしない医院もあるようです。ホームページ等でインプラント施術数の多さをうたっている医院を選ぶよりもリスクの説明と予後の管理対策をうたっている医院を選ぶ事が大切だと考えます。